昆虫図鑑・セスジイトトンボ

セスジイトトンボ

昆虫図鑑・セスジイトトンボ
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名前 セスジイトトンボ
分類 トンボ目・イトトンボ科
学名 Paracercion hieroglyphicum
分布域 国内では北海道から本州、四国、九州にかけて分布している
大きさ 全長27~37mm程度
出現期 成虫は主に5~10月頃に見られる
食べ物 成虫は小型の昆虫類、幼虫はミジンコ類やユスリカ類など
越冬 冬は幼虫で越冬する

●分布域
●大きさ・特徴
●生態・生活
●参考・その他

セスジイトトンボは北海道から九州にかけて生息しているイトトンボで、低地から低山地にかけて見られる。

分布域ではふつうに見られるが、近年は生息数が減少傾向にあると言われている。


セスジイトトンボの分布域

セスジイトトンボは北海道から本州、四国、九州にかけて分布していて、国外では、ロシア極東地方や中国、朝鮮半島などに分布している。

低地から丘陵地、低山地にかけての池沼やため池などの止水域に生息している。
流れの緩やかな河川や用水路などにも生息しているが、いずれも水生植物がよく繁茂している場所で見られる。


セスジイトトンボの大きさ・特徴

セスジイトトンボは全長27~37mm程のイトトンボで、体色は雌雄で異なっている。

雄は淡い青色や水色をしているが、雌は黄緑色や黄褐色で、中には雄と同じような色のものも見られる。

雄では、腹部の第8、第9節は水色で、第10節もほとんど水色をしているが、雌雄ともに、腹部の背側には黒いっぽい筋のように見える斑がある。

複眼の後ろには水色の斑(眼後紋)があるが、この斑点は丸みのある三角形のような形をしていて、雌ではより眼後紋が大きくなっている。

ふつうは左右の眼後紋をつなぐ後頭条と呼ばれる淡色の筋もあるが、中には分かりづらいものや見られないものいる。

また、胸部側面に見られる肩縫線と呼ばれる黒い筋の中には淡色の筋があるが、この筋も、雄の中には見られないものがいる。

ところで、セスジイトトンボはクロイトトンボ属に属しているが、クロイトトンボ属のものはいずれもよく似ている。

特に、セスジイトトンボはムスジイトトンボとよく似ていて、しばしば同所的に見られることがある。

一般に、ムスジイトトンボは、雌雄ともに眼後紋がセスジイトトンボよりも小さくてあまり目立たず、左右の眼後紋をつなぐ後頭条も見られないとされている。
但し、セスジイトトンボの中にも後頭条がないものがいるので、これについては注意する必要がある。

また、雄の場合、セスジイトトンボの複眼は緑や黄緑色をしているが、ムスジイトトンボの複眼は青色をしている。

腹部後端の上付属器を見ると、セスジイトトンボの雄では「ハ」の字の様に左右に開いているが、ムスジイトトンボは特に開いていない。

胸部側面に見られる肩縫線の中の淡色の筋も、セスジイトトンボでは長くてよく分かるが、ムスジイトトンボは淡色部が小さくなっている。

雌では、ムスジイトトンボの腹部は、るり色と呼ばれる紫色を帯びた青色のようになるが、セスジイトトンボの雌はるり色にはならないなどの違いがある。

しかし、いずれも体が小さいこともあり、肉眼で見分けるのは難しいので、写真を撮るなどして、全体の様子を見るようにした方がよい。

セスジイトトンボの特徴
セスジイトトンボの特徴


セスジイトトンボの生態・生活

セスジイトトンボは低地から低山地にかけて見られ、水生植物の多い池沼などの止水域や、流れの緩やかな河川などに生息している。
ため池のほか、大きな池があるような市街地近郊の公園でも見ることができる。

成虫は主に5~10月頃にかけて現れるが、地域によっては4月頃から見られる。

羽化した成虫は、水辺を離れて付近の疎林や草地、藪などに移動し、小型の昆虫類を食べて成長する。

成熟した雄は羽化水域に戻って縄張りをつくり、雌を待ち受けるようになる。
交尾は植物などにとまって行われ、その後、雌雄が連結して産卵水域に移動する。

産卵は、連結したまま雌が打水産卵するか、水生植物の組織内に卵を産みつける。
また、セスジイトトンボは雌が単独で産卵することもあるほか、雌雄が水に潜って産卵することもあると言われている。

卵は1~3週間ほどで孵化し、幼虫(ヤゴ)は水生で、水の中でミジンコやユスリカの幼虫などを食べて成長する。

冬は幼虫で過ごし、翌年の春に羽化して成虫となって現れるが、セスジイトトンボは年に1~2化すると言われている。


セスジイトトンボについての参考・その他

セスジイトトンボは、分布域ではふつうに見られるが、近年では生息数が減少傾向にあると言われている。

主な原因は、池沼や河川の護岸による水生植物の消失と減少で、それによってセスジイトトンボの産卵場所も減少している。

自治体によっては絶滅危惧種や準絶滅危惧種などに指定しているが、更なる生息環境の劣化や減少が心配されている。

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