昆虫図鑑・モンシロチョウ

モンシロチョウ

モンシロチョウ
モンシロチョウ 1 モンシロチョウ 2
モンシロチョウ 3 モンシロチョウ 4

名前 モンシロチョウ
分類 チョウ目・シロチョウ科
学名 Pieris rapae
分布域 国内では北海道から九州まで広く分布している
大きさ (前翅長)20〜30mm程度
出現期 成虫は主に3〜10月頃に見られる
食べ物 成虫は花の蜜、幼虫はアブラナ科植物の葉を食べる
越冬 冬は主にサナギで越冬する

●分布域
●大きさ・特徴
●生態・生活
●その他・参考

モンシロチョウは、国内では全国に分布していて、もってもよく見られるチョウとして知られている。
馴染みあるチョウでもあり、春になると様々な環境で見ることができる。


モンシロチョウの分布域
モンシロチョウは世界の温帯から亜寒帯に広く分布しているシロチョウの仲間で、国内でも北海道から本州、四国、九州まで、全国に広く分布していて、南西諸島や小笠原諸島などにも分布している。

陽当たりのよい原野や草原、耕作地などにふつうに生息していて、河川沿いや市街地の公園、住宅の庭先など、様々な環境に適応していて、成虫の観察期間も長い。


モンシロチョウの大きさ・特徴

モンシロチョウは前翅長(前翅の基部から先の長さ)20〜30mm程で、チョウの中では中型からやや小型になる。

春のものよりも夏に見られるものの方が大きいが、翅の色は全体に白く、前翅の先には黒褐色の斑がある。
前翅の中や後ろ翅の前縁には黒褐色の斑も見られ、これがモンシロチョウの特徴になっている。

また、雄では地色がやや黄色を帯びているが、雌は白く、前翅の前縁がやや黒ずんでいて、黒褐色の斑も大きくてはっきりとしている。

スジグロシロチョウとはよく似ているが、スジグロシロチョウの翅脈上は黒いが、モンシロチョウでは白いのが特徴になっている。

オオモンシロチョウにもよく似ているが、オオモンシロチョウの方がモンシロチョウよりも大きく、前翅の先の黒褐色の部分の大きさや様子が違っている。
モンシロチョウでは、先端の黒褐色の内側が直線的で、全体に三角形のように見えるが、オオモンシロチョウでは内側が大きく弧を描いいて、矢じりの形のように見える。

また、オオモンシロチョウの雌の前翅の表の中にはふつう3個の黒い斑があるが、雄では黒い斑などは見られない。

八重山諸島に分布している
クロテンシロチョウにも似ているが、クロテンシロチョウの後翅の裏側全体には、淡い緑褐色の様な模様が波模様のように入っている。


モンシロチョウの生態・生活

モンシロチョウは原野から草原、草地や耕作地などにふつうに生息していて、河川沿いの疎林や茂み、市街地の公園や住宅の庭先などでも見られる。
明るくて開けた環境を好み、陽当たりのよいところなら様々な環境で見られ、
モンキチョウキタキチョウなどと一緒に見られることも多い。

成虫は主に3〜10月頃にかけての春から秋にかけて見られ、1年に4〜5回ほど出現する。
寒冷地では年に2回ほどしか発生しないが、年に7回現れることもあり、地域によっては11月頃まで見られ、観察期間は長い。

また、秋に孵化した幼虫は多くがサナギになって冬を越し、次の春に成虫として現れる。
成虫の期間は2〜3週間ほどで、その間に様々な花の蜜を吸い、交尾・産卵を行う。

卵はスカシタゴボウなどのアブラナ科の植物の葉にひとつずつ産みつけられ、幼虫はそれらの葉を食草としている。

卵は葉裏に産み付けられることが多いが、農作物であるキャベツなどを好み、依然はキャベツ畑でふつうに見られた。
大根や白菜、チンゲン菜やブロッコリーなどの栽培野菜の畑にも多く、小さな家庭菜園などでもしばしば見られる。

しかし、時には作物に被害を与えることもあることから、近年は農薬を使用することが多く、キャベツ畑や大根畑などではあまりモンシロチョウを見かけなくなっている。

一方、耕作地の少ない都市部やその周辺では、緑化公園や小さな市民農園なとで見ることができる。

モンシロチョウの卵は長さ1mm程の淡い黄色で、孵化したばかりの幼虫は黄色いが、葉を食べて成長するに従い黄緑色になる。
幼虫は4回ほど脱皮したのちサナギになり、暖かい地域では1週間から10日ほどで羽化する。

また、サナギは食草の葉裏などに多いが、時は民家の塀などでも見られ、サナギの色は緑や茶色で、場所や季節によって変化がある。

この他、モンシロチョウはしばしば集まって見られることもあり、雄は小さな縄張りをもっていて、他の種に対しては追い立てたりする。

雌は羽化したのち、発生した場所を離れることが多いとも言われているほか、幼虫はアオムシコマユバチに卵を産みつけられることがあり、その場合、幼虫は死んでしまう。


モンシロチョウについてのその他・参考

モンシロチョウは世界の温帯から亜寒帯にかけて広く分布しているが、元来の自然分布域はヨーロッパからアジア、北アフリカなどで、農産物の移動や耕作地の拡大などによって、北アメリカやオーストラリアなどにも分布域を広げていったと言われている。

モンシロチョウは分布域が広く、幾つかの亜種が知られているが、基亜種・P. r. rapae はヨーロッパに分布するもので、国内で見られるものは亜種・ P. r. crucivora と言われている。

また、昆虫の多くは紫外線をとらえることができるが、モンシロチョウも紫外線をとらえることができ、雌雄の区別や花の蜜などを探し出すのに役立っていると考えられている。

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