昆虫図鑑・マユタテアカネ

マユタテアカネ

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名前 マユタテアカネ
分類 トンボ目・トンボ科
学名 Sympetrum eroticum
分布域 国内では北海道から本州、四国、九州地方に分布している
大きさ 全長30~43mm程
出現期 成虫は主に6~11月頃に見られる
食べ物 成虫は昆虫類、幼虫はミジンコや小さな水生昆虫など
越冬 冬は卵で越冬する

●分布域
●大きさ・特徴
●生態・生活
●参考・その他

マユタテアカネはやや小型の赤トンボで、顔には眉班と呼ばれる特徴な斑がある。
雌では成熟しても赤くならないが、成熟した雄の腹部は赤くなる。


マユタテアカネの分布域
マユタテアカネは、ロシアや中国、朝鮮半島や日本、台湾などに分布していて、国内では北海道から本州、四国、九州地方に分布している。

伊豆諸島や沖縄地方では見られないが、マユタテアカネはトカラ列島までは分布している。


マユタテアカネの大きさ・特徴

マユタテアカネは体長30~43mm程で、赤トンボ(アカネ属)の中ではやや小型になる。

雌雄ともに、顔の前額に眉班と呼ばれる一対の斑が見られるのが特徴になっていて、この斑が、「眉を立てたように見える」ことから「マユタテアカネ(眉立茜)」と名付けられている。る

但し、この斑の大きさにはやや個体差があり、ふたつの斑が接していて、ひとつに見えるものもある。

また、マユタテアカネの胸部側面に見られる黒い筋(翅胸第1側縫線)などは、他のアカネ属のものより細くて、あまり目立たないのも特徴になっている。

体色は、成熟前のものは雌雄ともに黄褐色のような色をしている。

成熟した雄は腹部は赤くなるが、胸は褐色のような色になる。
一方、雌では赤くならず、全体に暗いような色になるが、時には腹部背側が赤くなるものも見られる。

また、雌雄ともに翅は透明で、ふつう斑などは見られないが、雌の中には、翅の先にノシメトンボのような褐色の斑があるものが現れることもある。

マユタテアカネは、顔に眉班と呼ばれる斑があるのが特徴になっているが、マイコアカネやヒメアカネとはよく似ていて、それらの中にも眉班が見られることもある。

眉班以外の違いとしては、マユタテアカネの肩にある黒い筋(横から見ると前方の筋)は太くて一本になっているが、マイコアカネでは僅かに離れて黒い点があるようにも見え、胸の側面には4本の筋があるようにも見える。
また、マイコアカネの成熟した雄は青白い顔色をしている。

ヒメアカネとは眉斑がないことで見分けられるが、ヒメアカネにも中には僅かに斑が見られることもある。
その様な場合、マユタテアカネの雄の腹の先にある上付属器の先は、大きく上に曲がって反り返ったような形をしている。

雌では、腹部の先端下面にある産卵管が、ヒメアカネでは先端の腹側に長く突き出ているが、マユタテアカネの雌では尾部先端の突起(上付属器)よりも短く、幅広いなどの違いが見られる。

また、マユタテアカネの雌で翅の先に暗褐色の斑があるのものは、ノシメトンボやコノシメトンボリスアカネなどにも似た感じがするが、胸の側面を見ると、マユタテアカネでは、黒い筋が細く、はっきりとしていないので、すぐに分かる。

マユタテアカネの特徴

マユタテアカネの雌雄の違い
マユタテアカネの雌雄の違い


マユタテアカネの生態・生活

マユタテアカネは低地から丘陵地などにかけて生息していて、水田や池沼、湿地周りなどで見られる。

河川周辺でもふつうに見られるが、マユタテアカネは水辺近くに疎林などがあるような、やや薄暗い環境を好むと言われている。

成虫は主に6~11月頃にかけて現れるが、地域によっては12月頃まで見られる。

羽化した成虫は、水辺を離れ、周辺の疎林やその周辺などで、ハエやカ、チョウやガなどの昆虫類などを食べて成長する。

成熟すると羽化した水域に戻って繁殖を行うが、成熟した雄は水辺の草木などにとまって縄張りをつくり、しばしば周辺を警戒飛行している。

繁殖は夏の終わりころから見られ、雌が訪れると交尾をはじめるが、マユタテアカネの繁殖は、水辺の植物や地面にとまって行われる。

雄は腹を曲げて雌の頭部をつかみ、ハート形のような形になる。
その後、雌雄が連結したまま産卵水域に向かうが、これは他の雄に邪魔されないためと言われている。

マユタテアカネの産卵は、連結したままか雌が単独で産卵するが、雌は腹部の先で水面などを叩くようにする打水産卵か打泥産卵で、池沼の水面や湿気のある水際の泥などに産卵する。

冬は卵で過ごし、翌年の4月下旬から孵化して幼虫(ヤゴ)が現れる。
幼虫はミジンコや水生昆虫、小魚などを食べて成長し、やがて成虫となって現れる。


マユタテアカネについての参考・その他

マユタテアカネは、水田をはじめ、かつては住宅地などでも見られたが、近年は個体数が減少している。

主な原因は、開発などによる水田やため池などの減少だが、耕作地で使われる農薬の影響も指摘されている。

水田などではほとんど見られなくなってしまっていると言われていて、自治体によっては、マユタテアカネを絶滅危惧種や準絶滅危惧種、要注意種などに指定している。

尚、国内で見られるマユタテアカネは、基亜種・S. e. eroticumとされているが、中国南部や台湾に分布するものは亜種・オオマユタテアカネ(S. e. ardens (McLachlan)とされている。

また、マユタテアカネの雄は、コノシメトンボやヒメアカネ、マイコアカネや
ミヤマアカネなど、他のアカネ属と交尾することが観察されていて、交雑種が確認されている。
但し、それらが繁殖力をもっているのかは、はっきりしない。

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